Rで色分け地図を描く

日記 #練習用
イメージ 1 都道府県単位の集計データがある（もしくは集計した）とき、この↓サイトのように色分け地図を作りたくなったりします。

新・都道府県別統計とランキングで見る県民性 [とどラン]

ただしRで。

上記サイトも群馬大学青木先生のRプログラムを使っているように見えます。

ここでは慶応大学SFCの古谷知之先生の『Rによる 空間データの統計分析』（朝倉書店）を参考に色分け地図を作ろうと思います。

１．データを作る

ここでは、例として総務省統計局がここで公開しているデータから、東日本大震災の人口移動への影響に関するものを利用します。

使うのは参考表１　都道府県別転出入者数（エクセル：36KB）です。これをダウンロードして、必要な部分だけ取り出し、このようなCSVファイルを作りました。このファイルには都道府県番号、都道府県名、平成23年3月～平成24年2月の転入超過数、平成22年3月～平成23年2月の転入超過数が含まれています。

２．Rの準備

(1)必要なRパッケージをダウンロードし、インストールしておきます。必要なのはmaptoolsパッケージとclassIntパッケージ。
(2)古谷先生のサイトからデータ（zipファイル）をダウンロードして適当な場所に解凍します。この中にはESRIジャパン株式会社様が著作権者である地図データが含まれます。


３.Rで色分け地図を作る

Rを起動してエディタから以下のように入力、実行していきます。

#パッケージの読み込み
library(maptools)
library(classInt)

#ディレクトリの指定。ここではCドライブ直下に先ほどダウンロードしたzipファイルを解凍したとします。
setwd("C:/asakura_sp_data")

#転出入者数データの読み込み。ネット接続した状態で。
pop_trans <- read.csv("http://www.geocities.jp/snatool/download/pop_trans.csv", header = TRUE)

#古谷先生のデータから日本地図のデータを読み込み
jpn_pref <- readShapePoly("jpn_pref.shp", IDvar = "PREF_CODE")

#地図データと転出入者数データを結合
pref_pop_trans <- spCbind(jpn_pref, pop_trans)
#ここでは両者で都道府県の番号が一致しているので並べ替えを行っていません。
#都道府県番号が一致していない場合は並べ替えが必要です。

#ここでは都道府県を転出入者数によって5段階にランクづけして、色分けします。
#5つのランクにほぼ同じ数の都道府県が入るようにしますので、
#実際の転出入者数ではなくランクに応じた色分けになります。
pal <- heat.colors(5)
trans23 <- classIntervals(pref_pop_trans$h2303, n = 5)
trans23_col <- findColours(trans23, pal)
plot(pref_pop_trans, col = trans23_col)
title("平成23年3月～平成24年2月")

#これだけだと転出超過（マイナスの値）かどうか分からないので凡例をつけます。
legend("topleft", fill = attr(trans23_col, "palette"), cex = 1.4,
legend = names(attr(trans23_col, "table")), bty = "n")

#震災前と比較するために、平成22年3月からのデータも同じように色分けします。
trans22 <- classIntervals(pref_pop_trans$h2203, n = 5)
trans22_col <- findColours(trans22, pal)
plot(pref_pop_trans, col = trans22_col)
title("平成22年3月～平成23年2月")
legend("topleft", fill = attr(trans22_col, "palette"), cex = 1.4,
legend = names(attr(trans22_col, "table")), bty = "n")


結果を比較すると、宮城県以外の東北地方は東日本大震災前から転出数上位の県に含まれていましたが、震災後は宮城県も転出数上位の県になりました。逆に日本海側の山形県は上位から中位になっています。

関東地方でも茨城県や千葉県が転出数上位の県になっていることが分かります。東日本の太平洋側からの転出が増えている傾向が読み取れると思います。

沖縄県がつぶれて色が見えないのが難点か...。

2012年5月10日再追記および修正
全国市区町村界データのShapeFile使用について、ESRIジャパン株式会社様より今回に限り特別に使用許諾をいただきましたので、著作権表示と許諾番号を図に追加しました。
なお今回の許諾は使用データが以前のバージョンのためであり、最新版のデータはESRIジャパン様のダウンロードサイトにある規約の通り、RなどESRIジャパン製品以外での使用はできません。